年間休日105日って違法?│グレーゾーンの現実と“105日ライン”の正体

労務トラブル防止

「うちは年間休日105日です」

求人票や面接でそう言われて、
「えっ?なんか少なくない?」と不安になった方、いませんか?

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とくに最近は完全週休2日制(年間休日120日以上)が当たり前になりつつある中で、
「105日って、もしかしてブラック…?」と疑ってしまうのも無理はありません。

でも、実はこの「105日」という数字──
法律的には問題なし。けれど“安心”とは限らない。

この記事では、社労士としての視点と、実際の相談現場から見えてきた「105日の職場のリアル」を交えて、年間休日105日の“本当の意味”を解説していきます。

第1章|年間休日105日は、法律的には“問題なし”

まず、「105日って違法じゃないの?」という声にお答えします。

答えは──違法ではありません。

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労働基準法第35条には「週に1回以上の休日を与えること」と定められており、
これを年間で換算すると最低52日の休日を与えれば法的にはOKということになります。

つまり、年間105日というのは“法律の倍近く休ませている”とも言えるわけです。

実際、ハローワークに出ている求人でも「105日」はかなり多く見かけますし、
厚労省も「違法」とは一切言っていません。

けれど──
合法だからといって、それが“働きやすい”職場とは限らないというのが現実なんです。

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第2章|実は“平均より少ない”年間休日105日

厚生労働省の「就労条件総合調査(令和5年)」によると、
正社員の平均年間休日は112.5日

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これと比べると、105日というのは7日以上も少ないことになります。

さらに、こんな運用をされているケースもあります。

  • 土曜日は隔週出勤(実質は月6日しか休みがない)
  • 祝日も出勤(しかも代休なし
  • 有給が取りづらい雰囲気(事実上“使えない”)
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たとえば年間休日が105日でも、「祝日が全部出勤」「土曜も隔週出勤」となると、
カレンダー上の休みと実態がまったく一致していないという相談も多くあります。


第3章|なぜ企業は「105日」にしているのか?

企業側があえて年間休日を105日に設定するのには、いくつか理由があります。

● 稼働日数を最大限確保したい

とくに人手の足りない中小企業やサービス業では、「1日でも多く現場に出てもらいたい」というニーズが強くなります。

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● 変形労働時間制の活用

最近では、「月単位の変形労働時間制」を導入している企業も増えています。

  • 1週に6日勤務する週がある
  • 「週休2日制」と言いつつ、月に1回だけ2連休があるだけ
  • 祝日はすべて出勤だけど、代休の制度はない
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これらは、制度上は合法です。
ですが──従業員側にとってみれば、「身体がもたない」「家庭と両立できない」という問題が生じやすくなります。


第4章|「105日=ブラック」とは限らない

ここで誤解してほしくないのは、「105日」だからと言って、即ブラックというわけではないという点です。

実際、私が関わった企業の中にも、年間休日が105日であっても

  • 有給取得率が80%以上
  • 残業が月10時間以内
  • 代休制度が徹底
  • 福利厚生や研修制度が充実

という、非常に働きやすい“ホワイト企業”も存在します。

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つまり、大事なのは「数字」だけを鵜呑みにしないこと。

・有給は取れるのか?
・残業はどのくらい?
・代休制度は運用されてる?
・育児や介護との両立支援は?

こういった中身のチェックポイントを見ないまま「105日=悪」と決めつけるのは早計です。


第5章|「年間休日105日の会社」に寄せられるリアルな声

では実際、社労士として寄せられる相談の中で、「年間休日105日」が原因となっている声をいくつかご紹介します。

「面接では“完全週休2日”って言ってたけど、実際は土曜出勤ばかりで月8日休めるかどうか。話が違う…」

「“有給は制度としてあります”って言われたけど、実際に申請すると嫌味を言われる。結局、誰も使ってないです」

「休日に“お願いだから来てくれない?”って頼まれて行ったけど、代休もなし、手当もなし。その後のフォローもなし」

こうした現場の声を聞くと、
「制度としてあること」と「それが実際に使えるかどうか」は全然違うということがわかります。

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第6章|「あなたにとって、続けられるか」が一番大事

最後に、この記事でいちばん伝えたいことがあります。

「合法かどうか」よりも、「あなたが続けられるかどうか」が大事です。

たとえ法令をすべて守っていたとしても、
その会社の働き方があなたの体や心にとって無理があるものなら、それは“黄色信号”です。

  • 体調を崩していないか?
  • 家庭との両立はできているか?
  • 将来的に長く働きたいと思える職場か?

ぜひ、自分の感覚を大事にしてください。

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【補足】就職・転職時のチェックリスト

  • 祝日は休めるか?
  • 有給は実際に取れているか?
  • 代休の制度があるか?
  •  繁忙期以外の休日取得状況は?
  • 写の社員平均勤続年数や定着率は?

求人票では見えにくい“リアルな実態”を知ることが、働き方のミスマッチを防ぐ鍵になります。

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【まとめ】

年間休日105日という数字だけを見て、「ブラックだ」「やばい」と決めつける必要はありません。
でも、その数字の中身まで丁寧に確認することは、絶対に大切です。

そしてもし今、あなたが

  • 「休みが少ない気がする」
  • 「有給が取りにくい空気がある」
  • 「制度と実態にズレを感じる」

そう思っているなら、一度専門家に話を聞いてもらうだけで、心が軽くなるかもしれません。